ジャボチカバとは?
ジャボチカバはブラジル(南米)原産のフトモモ科の常緑樹です。
熱帯果樹が好きな人は100%知っている人気のトロピカルフルーツ。
人気の理由は?
- 不思議な実のなり方
- 果実の美味しさ
- 栽培のし易さ(耐寒性あり)
最近では家庭菜園でジャボチカバを育てる人も増えています。
果実は収穫した瞬間から味が落ちると言われています。
本当に一番美味しいジャボチカバを食べるには自分で栽培するしかありません。
不思議!幹に直接実がなる
幹に直接果実がなる
インパクトが最強!
初めて見た人は驚きます。
1本で結実する熱帯果樹です。
一般的なジャボチカバは直径2~3センチ程度の巨峰に似た実を付けます。
果実は劣化しやすく日持ちがしません。
収穫から半日ほどで味に変化が出ます。
本当に美味しいジャボチカバを食べるためには自分で栽培するしかありません。
静岡県ではジャボチカバ狩りが体験できる農園もあります。
ジャボチカバの花はふわふわ白い
開花した花からはバナナの様な香りがします。
開花後は1~2日で萎れてしまいます。
生育条件が揃えば開花結実を繰り返します。
鉢植え栽培でも大株になると春から秋までに100個以上の果実が収穫可能です。
ジャボチカバの味は?
ブドウ +ライチ+(練乳+カルピス風味)
味は個人の意見では信頼性が低いです。
自分の味覚、知人の味覚、ネット情報を元にジャボチカバの味をまとめました。
感じ方には個人差はありますが、このような味と表現されています。
赤ワインとの表現は過度の完熟、または劣化した場合に感じます。
フルーツは収穫タイミングによっても味に違いが生じます。
味の感じ方がバラつくことは仕方が無いことです。
とは言え多くの人の感想から、大半の方が美味しいと評価しています。
ジャボチカバ は日本人が好む味ということがわかります。
どんな果肉?
ジャボチカバを切った写真がこちらです。
皮に近い透明な果肉部分は果汁が多くとてもジューシーです。
中心には種子が1〜2個入っており、それを覆う様に白色の濃い果肉が付いています。
この果肉が種子との剥がれが悪く、少し食べずらいと感じさせます。
ナタデココみたいと表現される部分です。
ジャボチカバは口の中で、種の周りの果汁を吸うように食べます。
皮は食べられる?
皮まで食べることができます。
皮は酸味を少し強めに感じます。
風味を例えるならセリ科の植物です。
皮は独特な風味なので好きな方もいれば苦手な方もいるようです。
ジャボチカバ育て方
栽培のポイント
基本的には鉢植え管理をおすすめします。
ジャボチカバは成長が穏やかで、日本の冬の霜や冷たい風は苦手な熱帯果樹です。
鉢植え管理のメリット
- 四季の変化に応じて移動できる
- 病害虫への対策が行いやすい
- 結実を早めることができる
豆知識
鉢植え果樹の結実が早まる理由
栄養成長とは?
葉・枝・根など植物を大きくする成長
生殖成長とは?
子孫を残すための成長(開花結実)
鉢植え管理をすることで根域制限(根の行き先が限られること)され、栄養成長から生殖成長への切り替えが早まるとされています。
結果、地植えよりも結実が早まります。
培養土は?
培養土は水捌け重視で、鉢底には鉢底石を入れて根腐れを防止します。
植え替えについて
2〜3年に一度を目安に植え替えを行います。
一回り大きな鉢に植え替えを行います。
植え替え適期は5月〜6月です。
鉢の種類は水捌けを重視されたスリット鉢または菊鉢が適しています。
植替え時のポイント
ジャボチカバは細根が多い植物です。
根を傷めやすいので基本的には根鉢を崩さずに植え替えを行います。
植え替え後に与える水はリキダスやHB101等の活力剤を与えます。
活着までのスピードの向上や傷みが出るリスクを軽減できます。
微量要素が良い働きをするようです。
鉢植えの置き場所は?
室内管理より屋外管理の方が実付き、生育が良くなります。
建物の東側〜北側の風通しの良い、明るい日陰が適しています。
夏場の直射日光が強い時は遮光ネットを活用すると生育が良くなります。
年間を通して室内での管理可能ですが、樹勢が弱くなり落葉が多くなります。
室内管理での注意点
暖房器具の風が直接当たる場に置かない
できるだけ明るい場所に置く
置き場所が悪いと葉の色が悪くなったり落葉がみられます。
日々の観察をしっかりして小さな変化に早く気づける様にしましょう。
冬場の管理は?
目安として最低気温が10℃を下回る日になったら移動してください。
冬場の管理はお住まいの地域によって室内または温室への移動が必要となります。
霜や冷たい風が当たらない環境であれば地植えの可能性が十分ある熱帯果樹です。
耐寒性は株が大きく(幹が太く)なるほど高くなります。
群馬県邑楽郡では二重無加温ハウスで問題なく冬越しできました。
室内管理であれば寒さで枯れてしまうことはありません。
剪定について
実生5年くらいまでは基本剪定はしなくても問題ありません。
株元が混み合う場合は風通しが良くなるように剪定します。
特に結実株は幹に光や風が入るように意識してください。
ひこばえは早めに剪定をしましょう。
実生栽培で株立ちの場合は1~2本に間引いた方が良いでしょう。
水やりについて
表面が乾いたらたっぷり水を与えます。
根を充実させる為には、多少の乾燥ストレスが必要になります。
枝先の新芽は敏感です。
少し葉が垂れ下がったら与えるなど、メリハリのある水やりを心がけます。
地表の水分量を目視する為には、水やりチェッカーを用います。
冬場は水やりには特に注意が必要です。
常に湿った状態は根腐れのリスクが上がります。
耐寒性を上げる為には、乾燥気味に管理することが重要です。
肥料について
緩効性肥料をおすすめします。
ジャボチカバは細い根が多く、速効性肥料を与えると肥料やけ等の悪影響がでる恐れがあります。
過剰に与えないようにも注意してください。
注意する病害虫は?
コガネムシの幼虫
鉢植えの場合は地表にネットを掛けて産卵を防止します。
地植えの場合は気にしなくて問題ありません。
コガネムシのサイクルや対策はこちらをご覧下さい↓
カイガラムシ
風通しが悪いと発生します。剪定や置き場所を適切に行うことで防げます。
カイガラムシからの排出物で、すす病を発生させますので日々の観察が大切です。
アブラムシ
新芽に発生しますので、新芽の時期は注意して観察します。
病気の発生源となるので発生数が多い場合は薬剤散布をします。
ジャボチカバの増やし方
実生(種)で増やす
実生で増やすのが簡単です。
果肉をきれいに取り除き清潔な土に種を蒔きます。
気温20℃以上で約2週間程で発芽します。
挿し木で増やす
挿し木でも増やすことができますが難易度が高めです。
発根まで6ヶ月以上かかります。
成功率は体感的に10%以下です。
成功率を上げる為には穗木の選定が重要になります。
去年伸びた枝で太さ1~2ミリの枝を使用してください。
挿し木の用土はピートモスまたはバーミキュライトを使用します。
メネデールなどの活力剤を用いれば多少成功率を上げることができます。
発根促進剤にルートンがありますが食用目的の樹木には使用できませんのでご注意ください。
取り木で増やす
取り木は実生苗や挿し木苗と比べ、大きな苗が作れるので結実が早いことがメリットです。
太さ1センチ以上の枝の表皮を剥離して水苔で包んで半年~1年待ちます。
発根が確認できたら切り離し植え替えを行ってください。
ジャボチカバの苗選び
結実実績のある苗の購入をおすすめします。
ジャボチカバ は種から育てて結実までに10年程度かかると言われています。
予算的に厳しい場合は年数や樹高を比べるのではなく幹の太さで選ぶと良いでしょう。
実生苗、挿し木苗、接木苗、取り木苗が流通していますが、果実の品質的なバラつきが少ないことから実生苗でも問題ありません。
ジャボチカバ は多胚性ですので親のクローンとなりやすいです。
豆知識
多胚種子とは?
複数の胚がある種子で、交雑した遺伝子【雑種】の胚は1つです。他の胚は親の遺伝子と同じ【クローン】になる。
単胚種子とは?
一つの胚の種子で、雄・雌の遺伝子を持つ雑種となる。親と同じ果実はならない。
ジャボチカバの品種
大葉系四季なり種として流通しているジャボチカバをおすすめします。
豊産性であることと実生から栽培した場合に結実までの期間が早いからです。
ジャボチカバは沢山の品種がある
小葉系(ミューダ)
種が小さく甘味が強い果実がなる。耐寒性と病害虫に強いことから台木としても利用される。
中葉系(アッスー、アッスーワン)
一般的に流通するジャボチカバの中では特に大きい果実を付ける品種
大葉系(サバラ)
四季なり性で条件が整えば開花結実を繰り返す生産性に優れた品種
ブランカ
一般的なジャボチカバは黒紫色の果実ですが黄緑色の果実がなる品種
イエロージャボチカバ
薄い毛に覆われた黄色い果実がなる品種です。日本で結実事例は少ない。
大巨紅(台湾品種)
3〜4センチの大きな赤色の果実がなる品種。葉の大きさが大きいのも特徴
艾斯 (台湾品種)
赤紫と緑の色が混ざりグラデーションが綺麗な果実がなる品種。
福岡(台湾品種)
黒紫の実で3〜4センチの大きな実がなる品種。
ドワーフジャボチカバ
果実の色は赤みを帯びていて結実までが早い品種
ブルーグレープ
日本での結実事例は目にしません。耐寒性は他のジャボチカバに比べて弱いようです。
コロナタ
果実の頭頂に王冠状の模様がでる品種。
斑入りジャボチカバ
葉っぱに斑が入り観賞用としても価値が高い品種。
ジャボチカバは沢山の品種や交雑種が存在します。
それぞれ特徴がありますが確実に品種を見分けるのは難しいのが実情です。
ジャボチカバの営利栽培
果実を売る
ジャボチカバ の果実は日持ちしません。
収穫後、数時間で味に変化を感じる人もいます。
食用として販売するのであれば冷蔵便で翌日配達できる。
または直売所で当日のみの販売が適しています。
食用で販売すると100g(15粒くらい)で1000円程度のようです。
フリマサイトでは栽培用(種子取り用)として果実を販売しても需要があります。
苗木を売る
ジャボチカバの苗木は年間を通して沢山の取引がされています。
珍しい品種になると、需要は少なくなりますが小苗でも高額な取引が行われています。
一般品種はフリマサイト相場で1年生実生苗で500円〜1500円程度です。
結実苗になると10000円〜30000円程度で取引されているようです。
販売シュミレーション
step1
結実実績のある苗を購入する
購入費用10000~30000円
step2
収穫できた果実のから種を採取する
年間50~100の果実【種子】を採取
step3
種から実生苗を生産する
年間50~100ポットの実生苗を生産
育成期間1年
必要資材・・・ポリポット・培養土【費用1000円程度】
step4
実生苗を販売する
年間50~100ポット販売
販売価格 1000円
手数料10% -100
送料(四種便)-210円
利益 690円
※梱包資材はリサイクル品を使用
50ポット販売した場合
50ポット×利益690円=34500円
苗を生産してフリマサイトで販売すれば、翌年には結実株購入代金以上の利益を出すことができます。
生産した苗が売れ残っても植物の特性上、樹齢が長くなれば値段も高くなります。
上手に販売すれば家庭菜園を楽しみながら簡単な副業にもなります。
メルカリでの植物販売のノウハウの記事はこちらです↓
まとめ
幹に実がなる不思議な熱帯果樹。
耐寒性が高く、一般家庭でも収穫可能な熱帯果樹です。
味は酸味と甘味のバランスが良く日本人好みの味です。
自宅で新鮮なジャボチカバを味わってみませんか?
美味しさに感動するはずです。
ホームセンターでは販売されていない植物なのでフリマサイトで需要があります。
増えた余剰苗は販売してお小遣いを稼ぐことも可能ですよ。
以上、ジャボチカバでした。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
良いグリーンライフを🌱
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