寒さに弱い植物の冬越し
近年園芸ブームもあり観葉植物や熱帯果樹(トロピカル フルーツ)を育てる人が増えてきました。
おすすめ熱帯果樹の記事はこちら↓
寒さが苦手な植物は基本的には温暖な地域を除き冬場は室内管理となります。
室内管理の植物を枯らしてしまう多くの原因はこちら
- 過湿による根腐れ
- 長時間の低温による凍害
- 日照不足による生育不良
- 植物の置き場の問題
寒さに弱い植物を冬越しさせるために、寒さ対策は最も重要です。
しかし、寒さ対策だけでは不十分です。
冬越しのために室内に入れて数ヶ月で元気がなくなったり、枯れてしまうことも珍しくありません。
小さな工夫や道具を活用することで冬越し成功率を格段に上げることができます。
室内で植物を冬越しさせている方は5つのポイントを意識してみてください。
植物の耐寒性について
観葉植物や熱帯果樹の栽培をしていると必ず聞くことになるのが【耐寒性】という言葉。
植物がどの程度の低温に耐えて生存できるかの尺度です。
栽培環境はもちろん、木の成熟度や品種によっても耐寒性に違いがでます。
室内での越冬5つのポイント
植物を枯らさない為に、重要なポイントは下記の5つです。
- 水捌けの良い環境で管理する
- 乾燥気味に管理する
- 充分な光を確保する
- 風通しを良くする
- 簡易ハウスを使用する
小さな工夫や道具を活用することで低投資でも冬越し成功率を高めることができます。
水捌けの良い環境で管理する
室内で植物が枯れてしまう多くの原因に根腐れがあります。
生育期の屋外管理と冬季の室内管理では環境が大きく変わります。
室内では土は乾きにくく、植物自体も水をあまり吸い上げません。
根腐れを防止する為に、水捌けの良い鉢と培養土を使用しましょう。
おすすめの鉢はスリット鉢や菊鉢です。
どちらも水捌け性能が良く、室内で植物を管理する際に優れています。
続いて鉢に入れる土については水捌けを良くするに鉢底石を使用しましょう。
鉢底石を置くことで鉢底に水が溜まることを防げるので根腐れ防止になります。
水捌けが良い培養土にする方法は普段使用している土に下記の土を混ぜます
- パーライト・・・全体の0.5割〜1割程
- 硬質赤玉土また鹿沼土・・・全体の3割程
ポイントは硬質の粒状の土を一定量混ぜ込むことです。
硬質の赤玉土や鹿沼土は崩れにくいです。
特に普通(一般的)の赤玉土は一年程度であれば問題ありませんが、使用期間が長くなるほど型崩れして培養土の水捌けを悪くします。
普通の土と比べて硬質の土は少し値段が高めですが、値段差以上の効果発揮してくれます。
乾燥気味に管理する
一般的に植物は乾燥気味に管理することで耐寒性が増すと言われています。
水捌けの良い土を使用したとしても常に湿った状態は基本的によくありません。
冬越し期間中は水の与えるタイミングに注意しましょう。
水の与えるタイミングは管理場所の1番気温が上がり、光量が多い時に与えましょう。
毎日鉢の様子を見て、しっかり乾き切ってから与えます。
室内冬越し中に表面が乾いただけで与えるのは早すぎる場合が多いです。
鉢をもって重さを確かめたり、水やりチェッカーを活用して地中の湿り具合を目視で確認しても良いでしょう。
スリット鉢は土の乾き具合が表面だけでなく、鉢底のスリット部分からも見えるので視覚的に乾きを判断しやすいです。
充分な光を確保する
植物を室内で管理する上で気をつけなければいけないことは充分な光(日光)が当たる環境で管理することです。
室内ではレースカーテン越しの明るい場所に置いたとしても光の量は不十分です。
そこで補助光として活用したいのが植物用の育成ライトです。
ライトにも沢山種類があるので自分の植物の種類や数によって適切な物を選んでください。
注意して欲しいのはライトと植物の葉の距離が遠すぎる効果を最大限に発揮できません。
育成ライトの使用目安
- 距離…30センチ〜60センチ
- 照射時間…8時間〜12時間
状態の変化に応じて適切な距離と照射時間に設定します。
風通しを良くする
室内では風通しが悪くなります。
風通しが悪くなるとハダニやカイガラムシの病害虫被害がでます。
他にも空気が滞留することで土が乾きにくくなり、培養土にカビが発生し植物が病気になり枯れるリスクが高まります。
室内で風通しを良くするために是非活用してほしいものがサーキュレーターです。
使い方のポイントは植物に直接強い風を当てないことです。
目安としては植物の葉がわずかに揺れる程度に当てます。
サーキュレーターの回す時間は明るい時間帯の6時間〜12時間が適しています。
簡易ハウスを使用する
簡易ハウスで管理することで湿度の維持や光による温度上昇で植物をより元気に冬越しさせることができます。
ハウスを建てる場所は窓際が適しています。
ビニールハウスは日光が当たることで想像以上に気温をあげることができます。
室温が15℃程度でも窓辺の日光が当たる場所であれば30℃近くまであげることが可能です。
場所よっては温度が上がりすぎてしまう場合もあるので設置後は温度計を利用して1日の温度変化を見てみてください。
温度変化が一目でわかるグラフ機能付きの温度計がおすすめです。
湿度を保つことができる
簡易ハウスを使用することで湿度を高く維持することができます。
冬場は乾燥するので植物にとって湿度を保つことは重要になります。
他にもいいこといろいろ
埃(ほこり)が葉に積もることを防げる
葉に埃が積もると光合成の妨げや病気など原因となり生育に悪影響を及ぼします。
暖房器具などの風から守る
暖房器具の風は熱風で乾燥している為、植物に直接当たると大きなダメージを受けます。
虫が発生してもハウス内で食い止められる
室内に植物を取り込むと虫が発生してしまうことも少なくありません。
ビニールハウスで間切りすることで虫が発生したとしても部屋中を飛び回ることがありません。
実例紹介
室内で簡易ハウスを設置する際に使った材料を紹介します。
- 園芸用菜園ハウス(大)
- 保温アルミシート(DAISO商品)
- 植物育成ライト
- サーキュレーター
- 簡単デジタルタイマー
- 延長コード(DAISO商品)
簡易ハウスは組み立ては単純・簡単で1人でも1時間ほどで完成できます。
部品の数は多いですが、種類は少ないので組み立てが苦手な人でも問題なく設置可能。
床にはダイソーで購入できる保温アルミシートを貼ることをおすすめします。
目的は保温や光の反射だけでなく、水や土が溢れたときに室内の床を汚さない為です。
植物育成ライトは様々な種類がありますが、簡易ハウス全体を照射できるように蛍光灯型のライトを2個使用しました。
サーキュレーターは通電時に起動するものを使用してください。
設置場所は植物に直接強い風が当たらないように上や壁側に向けると良いでしょう。
最後にデジタルタイマーにお好みの時間設定を入力して完了です。
稼働時間は植物によっても違ってくるので栽培環境に合った時間に設定します。
私は午前11時から午後11時までの12時間起動させています。
まとめ
観葉植物や熱帯果樹を健全に育てるためには冬越しをいかにうまく行うかが大切です。
冬場に大きなダメージを受けてしまうと春からの成長にも関わってきます。
- 水捌けの良い環境で管理する
- 乾燥気味に管理する
- 充分な光を確保する
- 風通しを良くする
- 簡易ハウスを使用する
上記の5つのポイントを意識して実践することで室内での冬越し成功率が格段に上がります。
寒さに弱い植物をご家庭で楽しむことができる可能性が広がります。
楽しいグリーンライフを送りましょう。
今後も栽培記録は定期的に更新してきます。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
情報交換はお気軽に♪
Twitterあつお
基本毎日ツイートしてます。
関東【群馬県】で熱帯果樹や珍しい植物を育てています。一人でも多くの方に魅力を伝えたく栽培記録など情報発信しています。