atsuo

群馬県邑楽郡在住です。
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フェイジョアの疑問解決!【育て方・味・苗選び・剪定・耐寒性】栽培経験から学んだことすべて教えます。

果樹・野菜

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あつお
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関東【群馬県】で熱帯果樹や珍しい植物を育てています。一人でも多くの方に魅力を伝えたく栽培記録など情報発信しています。

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フェイジョアとは?

フェイジョアは南米(ウルグアイ、パラグアイ、ブラジル南部)が原産のフトモモ科の熱帯果樹です。

外観はオリーブのように美しく、花(エディブルフラワー)・果実を食すことができます。

多くの品種が流通していますが、1本で結実する品種【アポロ】が特に人気が高いです。

基本的には複数品種を混植して人工受粉を行うことで収量が多く、良質な果実が収穫できます。

別名で【パイナップルグアバ】と言われ、酸味・甘味のバランスが良く日本人好みの味です。

耐寒性(-5℃)に優れており広い地域で地植えも可能です。

フェイジョアの魅力とは?

  • 果実が美味しい
  • 外観が美しい
  • 耐寒性が強く栽培が簡単
  • エキゾチックな花が食べられる
  • 個性的な品種もある

日本でも昔からある果樹ですがまだまだ知名度は低めです。

最近では優良品種登場や個人販売の多様化で人気がでてきている印象です。

果樹としても庭木(シンボルツリー)としても魅力的なフェイジョアを育ててみませんか?

フェイジョアの味は?

フェイジョアは果実も花も食べることのできる熱帯果樹です。

追熟具合によっても味や口当たりに変化がでてきます。

果実は品種によって果肉の質感(ゼリー感・ざらざら感)など違います。

果実の味は?

洋梨+パイナップル 風味豊かな味

フェイジョアの果実は秋の11月頃に自然落下したものが食べ頃です。

風味豊なフェイジョアは生食がおすすめです。

落下した当日から食べることが可能です。

追熟させることで果肉が柔らかくなり、口当たりや風味の変化を感じることができます。

おすすめの食べ方は果実を半分に切ってスプーンですくって食べます。

甘味と酸味のバランスが良く、日本人好みの味です。

花の味は?

ほんのり甘い柔らかな食感

フェイジョアの花は梅雨時期の6月頃に咲きます。

花は食べることのできるエディブルフラワーです。

食べることのできる部分は白ピンク色の花びら部分となります。

見た目も美しくサラダやデザートのトッピングとして利用できます。

食べる際の注意点としては開花が梅雨時期ということもあり花びらは腐りやすいです。

開花当日の新鮮な花びらを食べるようにしましょう。

フェイジョアの苗選びのポイント

近年ではフェイジョアの流通量も増えてきており、園芸店やホームセンターでもよく目にするようになりました。

フリマサイトやオークションサイトでも比較的安価で苗が購入できます。

フェイジョアを栽培するにあたり苗木選びは重要です。

特性や注意点を理解して苗木の購入をしましょう。

品種苗で良質で美味しい果実

果樹として栽培するのであれば品種ごとの特性を理解することでフェイジョアの栽培が更に魅力的で楽しいものとなります。

良質で美味しい果実を収穫したい場合は品種名が明記された苗木を入手することが重要となります。

知っておきたいフェイジョアの品種特性は下記になります。

注目すべき品種によって違うフェイジョアの特性

  • 自家結実性(1本で実がなる)
  • 自家不結実性(結実には他品種の花粉が必要)
  • 豊産性(果実が沢山付きやすい)
  • 大実系(大きな果実がなる)
  • 矮性(樹形がコンパクトにまとまりやすい)
  • 耐寒性(寒さへの強さ)
  • 食味の違い(ゼリー感等)
  • 皮ごと食べられるタイプ

魅力的な特性をもったフェイジョアが沢山あります。

上記のような特性をもったフェイジョアを栽培するには品種苗の購入が必須となります。

フェイジョアの実生苗

苗木のラベルにフェイジョアとのみ書かれた苗木が多く流通しています。

その苗木は実生苗の可能性が高いです。

フェイジョアは実生(種から)栽培しても比較的美味しい果実がなるとも言われていますので果実が収穫出来れば満足という方は実生苗を選択しても問題ありません。


注意

品種苗から種子を採取して発芽させた苗(実生苗)は雑種となります。

フリマサイトなどでは品種名で売られた小苗が沢山取引されていますので特に注意が必要です。

親木の性質は多少受け継ぎますが、完全なクローンにはなりません。

基本的には【○○の実生苗です】は雑種という認識を持ちましょう

実生苗はオリジナル品種となるので大きな期待も持てますが、ギャンブル性もあるのが現実です。

果樹目的か主に観賞目的かでも品種に拘る重要度は変わってきますが基本的には品種苗がおすすめです。


フェイジョアのクローン苗を作る方法としては挿し木や取り木が用いられます。

認識違いで雑種苗を購入しないためにも、フリマサイト等で購入する際に疑問があれば苗の増殖方法の確認も必要です。

フェイジョア品種紹介

  1. アポロ・・・1本で結実
  2. マンモス・・・複数本推奨 実が大きい
  3. クーリッジ・・・1本で結実 豊産性
  4. トライアンフ・・・1本で結実不可
  5. ジェミニ・・・複数本推奨 矮性
  6. マリアン・・・1本で結実不可 中実
  7. プリティグリーン・・・1本で結実
  8. ユニーク・・・1本で結実、結実までが早い
  9. コバーノ・・・1本で結実不可 葉が小さく綺麗
  10. バブビナ・・・皮ごと食べられる(小果)、矮性

主幹が太く丈夫な苗木を選ぶ

フェイジョアは枝に柔軟性がなく、折れやすい弱点を持っています。

台風などの強風時に成木が折れてしまうことも少なくありません。

購入する際は主幹が太い苗木を選びましょう。

樹形にも注目して枝数が多すぎて、主幹に負荷がかかりすぎるような樹形が暴れた苗木は剪定や支柱による支えが必須になることも覚えておきましょう。

葉が緑で枯れがない苗を選ぶ

葉が美しい緑色で、変色や枯れ込みがない健康的な苗木を選びましょう。

植物全般に言えることですが、枝葉の枯れ込みは初期段階にでる不調の症状です。

根腐れ・水切れ・肥料切れ・根詰まり・病害虫被害

様々な原因で葉に傷みがでますが、最低限の知識をもって元気な苗を選びましょう。

根詰まりは突然枯れる原因にもなる

フェイジョアは樹勢が強く根詰まりに注意が必要です。

過度な根詰まりを起こした苗木は購入を控えた方が無難です。

根が木質化しやすい植物なので過度な根詰まりは株を枯らす原因となります。

特に注意が必要なのは地植えの植え付け時です。

根鉢がカチカチに硬いような苗を植え付ける場合は根をほぐして植え付けましょう。

フェイジョアの育て方

栽培のポイント

フェイジョアの開花~収穫・植え付け・肥料・剪定の大まかなスケジュールは下記の表をご覧下さい。

フェイジョアは耐寒性に優れている熱帯果樹ですが、霜や冷たい風に当たると葉の傷みが生じます。

また品種によってはすべての葉が落葉したり、細い枝は枯れ込みが発生します。

最低気温がマイナス5℃程度の地域であれば無保護でも枯れることは少ないです。

しかし、冬場の大きなダメージは春からの生育にも悪影響を及ぼしますので、管理場所(植え付け場所)には注意が必要です。

必要に応じて不織布等で防寒対策をしましょう。

病害虫被害も少なく剪定にも強いので、寒い地域を除き基本的には地植え管理をおすすめします。

地植えすることで生育旺盛なフェイジョアは立派に美しく育ちます。

実付き(収穫量)を良くする為には、複数品種を混植しましょう。


鉢植えのメリットはある?

寒い地域や植える場所がない方は鉢植え管理となります。

地植えを推奨していますが鉢植え管理ならではのメリットもあります。

一度地植えしてしまうと基本的には鉢に戻すことは厳しくなります。

ご自身の栽培環境を考えて後悔しない管理をしましょう。

地植えするか迷っている場合は数年は鉢植え管理してみてはいかがですか?

下記のようなメリットがあります。

強風や寒波時に避難させることが可能

台風や寒波などの非常時に避難させることが可能です。

フェイジョアは強風時に折れやすいです。

支柱を立てても完全に枝折れを防ぐことは困難です。

また寒さに耐えることができるか微妙な地域もあります。

鉢植えで数年間育てることで、地植え可能な地域か見極めることができます。

非常時に安全な場所へ避難できる選択肢があるのは安心です。

開花結実を早めることができる

植物には栄養成長生殖成長があります。

栄養成長・・・葉・枝・根など植物を大きくする成長

生殖成長・・・子孫を残すための成長(開花結実)

鉢植え管理をすることで根域制限(根の行き先が限られること)され、栄養成長から生殖成長への切り替わるとされています。

これ以上大きくなれないと植物自体が判断して子孫を残そうとするのです。

結果、開花結実が早まるとされています

コンパクトに仕立てることが可能

鉢植え管理は大きさをコントロールし易いです。

特にフェイジョアは剪定に強い植物なので小さくコンパクトに仕立てやすいです。

栽培スペースが限られている場合は鉢植えの選択をしましょう。


培養土(用土)は?

鉢植え管理のおすすめ配合

※お好みでピートモス腐葉土を配合

培養土は水捌け重視で、鉢底には鉢底石を入れて根腐れを防止します。

路地に植え付ける場合

地植えの場合は植え付け場所に腐葉土や元肥を混ぜ込みます。

水捌けが悪い場所の場合は赤玉土や鹿沼土も加えると良いです。

植え付ける根鉢の2~3倍の範囲を耕して植え付けましょう。

植え替えについて

1~2年に一度を目安に植え替えを行います。

使用する鉢は水捌けを重視したスリット鉢がおすすめです。

植え替え適期は3月〜5月です。

植替え時のポイント

根鉢が硬くなっている場合は解しましょう。

基本的には一回り大きな鉢に植え替えを行います。

植え替え後に与える水はリキダスHB101等の活力剤の希釈液を使用します。

活着までのスピード向上や傷みが出るリスクを軽減できます。

微量要素が植物本来の持っている力を発揮させるようです。

肥料とは違うので手軽に使用できます。

栽培場所は?

風通しの良い、明るい場所が適しています。

夏場の直射日光が強い時は遮光ネットを活用すると生育が良くなります。

冬期は霜や冷たい風を防げるように不織布などで防寒対策をすると安心です。

品種により耐寒性は異なりますが、マイナス5℃以上を目安にしてください。

室内管理での注意点

暖房器具の風が直接当たる場に置かない

リビングなどできるだけ明るい場所に置く

置き場所が悪いと葉の色が悪くなったり落葉がみられます。

日々の観察をしっかり行いましょう。

厳しい寒さの地域(時期)を除き、基本的には屋外管理を推奨します。

剪定について

毎年3月~4月に混み合った枝を剪定しましょう。

間引き剪定が基本となります。

株元から出る細い枝や内側に伸びる枝を残さず剪定します。

枝先端付近に花芽を付けるので全体を大きく切り戻ししてしまうと開花結実が困難になります。

結果枝を考えて剪定を行いましょう。

水やりについて

生育旺盛なので水切れには要注意です。

特に夏場は水の要求量が増えるので毎日与えることになります。

鉢植えの場合は表面が乾いたらたっぷり水を与えます。

地植えの場合は活着後(植え付け後約半年経過)は特に水やりの必要はありません。

水やりのワンポイント

根を充実させる為には、多少の乾燥ストレスも必要になります。

頻繁に観察できる場合は枝先の新芽が少し葉が垂れ下がる変化を見てから与えると健康で強い株に育てることができます。

鉢内の水分量を目視する為には、水やりチェッカーを用いると簡単です。

冬場は水やりには注意

生育期ではない冬場に常に湿った状態は根腐れのリスクが上がります。

また凍害のリスクが上がります。

耐寒性を上げる為には、乾燥気味に管理することが重要です。

水をあたえる時間帯は日中の暖かい時間に行います。

肥料について

緩効性肥料をおすすめします。

元肥にはマグアンプKがおすすめです。

速効性肥料を与えると肥料やけ等の心配があります。

生育期には小まめに薄めた液肥を与えると枝葉を健康的に育てることができます。

葉面散布も効果的です。

注意する病害虫は?


カイガラムシ

枝が混み合い風通しが悪いと発生します。剪定や置き場所を適切に行うことで防げます。

カイガラムシからの排出物で、すす病を発生させますので日々の観察が大切です。

また排泄物は甘露と言われアリが集まります。

頻繁にアリが樹上にいる場合は注意して観察しましょう。

成虫となりカイガラに覆われたカイガラムシは薬剤散布も効果がうすくなります。

早期発見で対策するようにしましょう。

フェイジョアの増やし方

実生(種子)で増やす

種から簡単に増やすことができます。

フェイジョアの種はゴマのように小さいです。

果肉をきれいに取り除き清潔な土に種を蒔きます。

フェイジョアの種子

気温20℃以上で約2週間程で発芽します。

交雑した実生苗は親と性質が異なり雑種となりますので注意して下さい。

気長にオリジナル品種として育てることも楽しみ方の一つです。

下記が発芽して1年目の苗です。

春に種まき8月の写真(種蒔きから約5ヶ月)

ポットに蒔いても良いですが種子が小さく沢山とれるので、プランターに蒔いて翌年に株分け(植替え)する方法が効率的です。

挿し木で増やす

難易度は少し高めですが、挿し木で増やすことも可能です。

発根まで3ヶ月~6ヶ月かかります。

成功率は体感的に40%程度です。

成功率を上げる為には穗木の選定が重要になります。

太さ5ミリ~1センチの枝を使用してください。

古い枝は穗木には向いていません。

挿し木の用土はピートモスまたはバーミキュライトを使用します。

メネデール、リキダスなどの活力剤を用いれば成功率を上げることができます。

発根促進剤にルートンがありますが食用目的の樹木には使用できませんのでご注意ください。

取り木で大苗を増やす

取り木は実生苗や挿し木苗と比べ、大きな苗が作れるので結実が早いことがメリットです。

また親木のクローン苗なので性質が全く同じとなります。

成功率も高く発根を確認してから枝を切り離すので枝のロスも少ないです。

太さ1センチ以上の枝の表皮を剥離して水苔で包んで半年~1年待ちます。

発根が確認できたら切り離し植え替えを行ってください。

フェイジョアの耐寒性について

耐寒性の目安はマイナス5℃

栽培環境(防寒対策)によってはマイナス10℃近くまでの可能性がある

※目安としてはみかんが栽培できる地域

2018年から庭に3品種のフェイジョアを植えています。

栽培経験から耐寒性について解説します。

写真向かって左から

トライアンフ・マンモス・マリアン

2018年定植

2023年は数年に一度の寒波と言われ寒し年でした。

枝葉の状態をみると品種(個体)より傷み具合に大きな差がありました。

マリアンは株上部の落葉が目立ち、葉の傷みも酷くでました。

2023年 真冬のフェイジョア

葉は黄色みがかり、赤茶色の斑点が多くみられます。

マリアンの葉

トライアンフとマンモスは同じレベルの傷みでした。

多少の傷みはありますが落葉や斑点が出た葉は少ないです。

トライアンフの葉 

このことからも品種(個体)による耐寒性の差はあると言えます。

鉢植えで寒さから避難

鉢植えでもフェイジョアを育てています。

冬場は軒下に避難させて冷たい風や霜ができるだけ当たらない環境に置いています。

最低気温は地植えと同じ屋外管理なので同じマイナス5℃まで下がる環境です。

風や霜から守ってあげるだけで凍害をかなり防ぐことができます。

同時期に撮影して鉢植えフェイジョアの葉の写真がこちら↓

真冬のフェイジョア 軒下避難

防寒対策(風・霜にあてない)の大切さがわかります。

路地植えの場合は不織布で覆えば体感温度を上げることができるので凍害防止に有効です。

とはいえ耐寒性に優れたフェイジョア

栽培経験からも最低気温マイナス5℃程度の地域であれば無保護でも枯れることはありません。

毎年、開花結実しているのでそこまで心配しなくても大丈夫です。

まとめ

果樹としても庭木としても楽しめるフェイジョアです。

熱帯果樹でありながら寒さに強いので多くの地域で栽培が可能です。

認知度は低い植物ですが沢山の魅力を持っています。


外観

シルバーリーフでお洒落

大人気庭木のオリーブに似ている

剪定にも強く好きな樹形・サイズに仕立てやすい


(エディブルフラワー)

ピンクと白のエキゾチックな花

美しい花は人目を引く

ほんのり甘く食べられる


果実

甘酸っぱく日本人好みの味

品種により食味が様々

収穫目安は自然落下


少し変わった植物、フェイジョアを栽培して四季折々の変化を楽しみませんか?

美しさと果実の美味しさに感動します。

注意したいのは果実目的の場合は混植栽培が良いこと

1本のみ植える場合は自家結実性(1本で実がなる)のアポロやプリティーグリーンを選びましょう。

実生苗は雑種です。

種子発芽苗を品種苗と思い込んで購入しないようにしましょう。

以上、フェイジョアでした。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

良いグリーンライフを🌱

関東でも収穫できた!おすすめ熱帯果樹の記事はこちらです↓

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