摘果はした方が良いのか?
イチジクは挿し木で比較的簡単に増やすことができる果樹です。
挿し木をしていて疑問に思ったこと。
小さい実(幼果)は摘果する?
結論は・・・
摘果したほうが良い
イチジク挿し木経験者にTwitterでアンケートをしてみました。
アンケート内容がこちら
あつおtweetよりイチジクの挿し木
穂木によっては発根前に幼果が膨らんできてしまいます。
基本は摘果かと思いますが未熟な植物体は摘果によりダメージを受けてしまうのではないかとも考えられます。イチジクを挿し木している皆さんどうしていますか?
経験や個人的な意見でも沢山の方の意見を知りたいです。
沢山の回答を頂いた結果
摘果する 83.3%
摘果しない 16.7%
回答結果から8割以上の方が挿し木をした際に膨らんできた幼果は摘果していることがわかりました。
穂木の状態(鮮度)や穂木の太さ、品種によっても挿し木成功率は変わってきます。
摘果しなくても問題なく育った経験がありますので必ず取らなければ挿し木が失敗する訳ではありません。
幼果を放置していても基本的には生理落果することが多いです。
あくまでも挿し木の成功率を上げるために摘果は必要となります。
なぜ摘果をするのか?
挿し木を行った年に付く果実は基本的には熟すことはありません。
収穫できない=不要な果実
穂木(枝一本)に蓄えられている栄養分は限られています。
不要な果実に限られた穂木の栄養分を極力使わないようにするために摘果を行います。
果実肥大に使わなかった分の栄養は発根や展葉に充てることができます。
その結果
挿し木成功率が上がることになります。
摘果を行う時期タイミングは?
イチジクの挿し木適期である春に挿し木をすれば約1ヶ月で花芽がある穂木は果実肥大が起こります。
摘果をするタイミングは果実が1センチ程度の大きさに肥大した頃がおすすめです。
理由は
カット(摘み取り)やすいからです。
刃物でカットまたは手で摘み取るかでも摘果しやすい大きさは変わってきます。
最善の摘果タイミングは穗木の状態をみて決めましょう。
摘果タイミングが早いと穗木の栄養消費は少なく済むが、幼果は硬く摘果し難い。
摘果するのに穂木を揺らしてしまいストレスがかかったり、根が折れて挿し木成功率を下げる原因となるので注意が必要です。
摘果タイミングが遅いと穗木の栄養消費が多くなるが、幼果は取れやすく摘果しやすい。
穂木自体の栄養を多く使うことになるので挿し木成功率をわずかに下げることになります。
摘果タイミングの見極めが大切となります。
摘果の方法を解説
摘果の方法は2つあります。
1.刃物(ハサミやナイフ)でカット
2.手で摘み取る
どちらも共通して注意しなければいけないことは穂木を揺らさないことです。
摘果の際は穂木が大きく揺れないように片方の手で穂木を抑えて行います。
1.刃物でカットして摘果
ハサミやナイフ等の刃物を使用して幼果をカットします。
できるだけ実元に近い位置でカットしましょう。
少し硬めの幼果でも簡単に摘果できます。
一般的なハサミやナイフでも問題ありませんが切れ味が良いもの使用します。
専用の摘果鋏や芽切鋏を使用すると作業がしやすく穂木を傷めるリスクが軽減できます。
2.手で摘み取り摘果
見つけ次第、手軽に摘果できます。
幼果を上から下にゆっくり優しく押すようにして実元から折るように行います。
膨らみたての硬い幼果に不向きです。
ある程度大きくなった実を摘果する場合は穂木に負荷を掛けずに実元から綺麗に摘果することができます。
摘果後にやったほうがいいこと
摘果した部分は傷ができるので傷口から白い樹液が出ることもあります。
切り口にはトップジンMペーストを塗布して殺菌と乾燥防止をすることをおすすめします。
まとめ
手軽にできるイチジクの挿し木です。
近年では希少品種や輸入穂木などの高額なイチジクの挿し木をする方も増えてきます。
挿し木をする中で少しでも成功率を上げたいと思う気持ちはみんな一緒です。
小さい果実が付いた時の選択
摘果をして限られた穂木の栄養分を発根や展葉に使ってもらう。
基本的には摘果することより挿し木成功率は上がる可能性が高いです。
下記の写真のように果実肥大が優先されて葉芽が成長しないことがあります。
幼果を摘果してあげることで控えている葉芽の成長がすぐに開始されます。
挿し木は葉が展開と発根のバランスが成功率を上げるためのポイントの1つです。
人間がしてあげられる最善を考えて挿し木成功率を100%に近づけましょう。
以上、最後まで読んでいただきありがとうございました。
イチジクの挿し木についての記事はこちら↓
今後も栽培記録は定期的に更新してきます。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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関東【群馬県】で熱帯果樹や珍しい植物を育てています。一人でも多くの方に魅力を伝えたく栽培記録など情報発信しています。