フィンガーライムとは?
フィンガーライムはオーストラリア原産の柑橘類です。
1本で結実する熱帯果樹です。
海外では料理人からの評価が高く、【森のキャビア】と表現されています。
熱帯果樹の中では耐寒性に優れ、多くの地域で栽培が可能です。
フィンガーライムが人気の理由は?
- フルーツとは思えないつぶつぶ食感
- 果実のカラーバリエーション
- 栽培のし易さ(耐寒性あり)
最近では日本での知名度も上がり、高級料理店やBARでの取扱もあるようです。
そんな高級食材を自宅で栽培してみませんか?
フィンガーライムは森のキャビア
カラーバリエーションが豊富です。
果実を割ると、つぶつぶの果肉が溢れ出してきます。
緑、ピンク、赤、黄、白
芸術的な美しさです
宝石の様な輝き
フィンガーライムは5~10センチ程度の果実です。
その中に直径1ミリ程の果肉がぎっしり詰まっています。
完熟するほど果肉の色味は強くなります。
フィンガーライムの果肉は同じ柑橘類のミカンなどとは全く違います。
果肉の一粒一粒が独立して出てきます。
想像以上に硬く、食感も楽しませてくれます。
その食感から森のキャビアの名がついています。
フィンガーライムの花はピンク色
花は白からピンク色をしています。
沢山の花が咲きますが幼果の多くは生理落果してしまいます。
実が大きくなる数は苗の大きさ(成熟度)に比例します。
苗が小さい間は開花しても結実はほとんどしません。
苗が大きくなれば収穫量も増えるので、小さいうちは株を充実させることに専念しましょう。
気温など条件が揃えば開花結実を繰り返します。
鉢植え栽培でも20~30個程度は果実が収穫可能です。
フィンガーライムの味は?
ライム +(シソ+山椒)風味
感じ方には個人差はありますが、このような味と表現されています。
なぜトッピングとして優れている?
つぶつぶの果肉はかむ瞬間まで、ほとんど味を感じません。
果汁がでることもありません。
かんだ瞬間に広がる風味が素晴らしいです。
フィンガーライムは料理やカクテルの味を邪魔しません。
見た目も美しく、料理を楽しませてくれます。
唐揚げや刺身、スイーツまでトッピングの可能性は無限大です。
いろいろなトッピングに挑戦したいですね。
フィンガーライムの苗選びのポイント
ショップやフリマサイトでも比較的安価で購入できるようになりました。
苗木を購入する際は下記に2点に注意してください。
接ぎ木苗であること
品種の信頼性があること
苗の種類 それぞれの特徴
実生苗・挿し木苗・接ぎ木苗が一般的には販売されています。
代表的なメリット・デメリット
実生苗 種子を発芽させた苗
メリット
- 価格が安い
デメリット
- 雑種になり果実の品質が劣りやすい
- 結実までに時間がかかる(一般環境で10年程度)
挿し木苗 枝【穗木】から発根させた苗
メリット
- 価格が安い
- 親と同じ性質になる
デメリット
- 成長が遅い
- 結実までに時間がかかる(一般環境で3~5年)
- 耐病性が低くなる
接ぎ木苗 土台となる植物【台木】に枝【穗木】を融合させた苗
メリット
- 親と同じ性質になる
- 台木の特性により、耐寒性・耐病性・矮性化の獲得
- 結実までが早い(2年目~3年程度)
デメリット
- 価格が高い
このように苗木の生産方法によって、それぞれ特徴があります。
フィンガーライムは果樹としての栽培です。
生育、収量、管理の面からみても基本的には接ぎ木苗を購入しましょう。
実生苗や挿し木苗は、その苗から穗木を採取して接ぎ木をすることをおすすめします。
品種って重要?
家庭菜園で育てるのであれば品種はそこまで気にしなくて良いかな?
せっかく珍しい熱帯果樹を育てるのだから優良品種を育ててほしいな。苗の見た目は似ていても風味や色味、果実の大きさや種の入り方など様々だよ。でも注意があって、品種間違いの苗が多く出回っているよ。
できれば品種確定苗が欲しいけど、どこで買えばいいかな?
フィンガーライム専門店から購入すればいいけど値段は高めだね。購入する場合は収穫した果実の写真をアップしている販売者からの購入が安心だよ。
フィンガーライムは品種間違い苗が多く出回っています。
ピンク色の苗を買ったけど、実がなったグリーンだった!ってこともあります。
果実の確認ができていて信頼できる販売者から購入することをおすすめします。
注意!
品種確定苗から採取した種子を発芽させた苗は雑種です。
フリマサイトでは特に品種違いにご注意ください。
フィンガーライムの育て方
栽培のポイント
フィンガーライムは耐寒性に優れていますが、霜や冷たい風は苦手な熱帯果樹です。
冬場の管理には特に注意が必要になります。
基本的には鉢植え管理をおすすめします。
実付きを良くする為には、苗に対して大きな鉢に植えないことです。
鉢植え管理のメリット
- 四季の変化に応じて移動できる
- 病害虫への対策が行いやすい
- 結実を早めることができる
豆知識
栄養成長と生殖成長とは?
鉢植え果樹の結実が早まる理由
栄養成長とは?
葉・枝・根など植物を大きくする成長
生殖成長とは?
子孫を残すための成長(開花結実)
鉢植え管理をすることで根域制限(根の行き先が限られること)され、栄養成長から生殖成長への切り替わるとされています。
結果、実付きが良くなります。
培養土は?
培養土は水捌け重視で、鉢底には鉢底石を入れて根腐れを防止します。
植え替えについて
2.3年に一度を目安に植え替えを行います。
使用する鉢は水捌けを重視したスリット鉢が適しています。
植え替え適期は3月〜5月です。
植替え時のポイント
収量を落とさないためにも、一回り大きな鉢に植え替えを行います。
植え替え後に与える水はリキダスやHB101等の活力剤の希釈液を使用します。
活着までのスピード向上や傷みが出るリスクを軽減できます。
微量要素が良い働きをするようです。
鉢植えの置き場所は?
建物の東側〜南側の風通しの良い、明るい場所が適しています。
夏場の直射日光が強い時は遮光ネットを活用すると生育が良くなります。
冬期は室内での管理が可能です。
屋外で管理する場合は霜や冷たい風を防げるように不織布などで防寒対策しましょう。
品種により耐寒性は異なりますが、0℃以上を目安にしてください。
室内管理での注意点
暖房器具の風が直接当たる場に置かない。
できるだけ明るい場所に置く
置き場所が悪いと葉の色が悪くなったり落葉がみられます。
日々の観察をしっかり行いましょう。
冬場の管理は?
目安として最低気温が5℃を下回る日になったら移動してください。
冬場の管理はお住まいの地域によって室内またはビニールハウスへの移動が必要となります。
霜や冷たい風が当たらない環境であれば地植えの可能性がある熱帯果樹です。
耐寒性は株が大きくなるほど高くなります。
群馬県邑楽郡では二重無加温ハウスで問題なく冬越しできました。
室内管理であれば寒さで枯れてしまうことはありません。
剪定について
枝が混み合いやすい植物です。
株元や枝が混み合った場所は風通しが良くなるように剪定します。
枯れ枝は定期的に剪定するようにしましょう。
水やりについて
フィンガーライムは乾燥に強いです。
表面が乾いたらたっぷり水を与え、メリハリのある水やりを心がけます。
根を充実させる為には、多少の乾燥ストレスが必要になります。
枝先の新芽は敏感です。
少し葉が垂れ下がる等の変化を見てから与えると健康で強い株に育てることができます。
地表の水分量を目視する為には、水やりチェッカーを用いると簡単です。
冬場は水やりには特に注意が必要です。
常に湿った状態は根腐れのリスクが上がります。
耐寒性を上げる為には、乾燥気味に管理することが重要です。
肥料について
緩効性肥料をおすすめします。
速効性肥料を与えると肥料やけ等の悪影響がでる恐れがあります。
過剰に与えないようにも注意してください。
注意する病害虫は?
コガネムシの幼虫
鉢植えの場合は地表にネットを掛けて産卵を防止します。
地植えの場合は気にしなくて問題ありません。
コガネムシのサイクルや対策はこちらをご覧下さい↓
カイガラムシ
風通しが悪いと発生します。剪定や置き場所を適切に行うことで防げます。
カイガラムシからの排出物で、すす病を発生させますので日々の観察が大切です。
アゲハチョウの幼虫
新芽に産卵されて幼虫が発生します。
放置するとあっという間に葉を食べられてしまいます。
見つけ次第取り除く(捕殺)しましょう。
フィンガーライムの増やし方
実生(種)で増やす
実生で増やすのが簡単です。
果肉をきれいに取り除き清潔な土に種を蒔きます。
気温20℃以上で約2週間程で発芽します。
雑種となります。
気長にオリジナル品種として育てることも楽しみ方の一つです。
下記が発芽して1年目の苗です。
下記が発芽して2年目の苗です。
挿し木で増やす
挿し木でも容易に増やすことができます。
発根まで3ヶ月程度かかります。
成功率は体感的に80%以上です。
成功率を上げる為には穗木の選定が重要になります。
太さ5ミリ~1センチの枝を使用してください。
挿し木の用土はピートモスまたはバーミキュライトを使用します。
メネデールなどの活力剤を用いれば成功率を上げることができます。
発根促進剤にルートンがありますが食用目的の樹木には使用できませんのでご注意ください。
取り木で増やす
取り木は実生苗や挿し木苗と比べ、大きな苗が作れるので結実が早いことがメリットです。
太さ1センチ以上の枝の表皮を剥離して水苔で包んで半年~1年待ちます。
発根が確認できたら切り離し植え替えを行ってください。
フィンガーライムの品種
フィンガーライムの魅力として多くの品種があり、カラーバリエーションが豊富です。
ツブツブの果肉の色は様々です。
緑、ピンク、赤、黄、紫色(ピンク系)、白があります。
ネットショップで販売されているフィンガーライムの品種ごとの特徴をまとめた記事はこちらです
希少な斑入り品種
観賞価値が高い斑入りのフィンガーライムもあります。
希少品種で流通は少ないです。
果樹でありながら観葉植物のような美しさがある品種です。
まとめ
品種毎に果肉の色をはじめ、多くの特徴があり魅力的。
耐寒性が高く、一般家庭でも収穫可能な熱帯果樹です。
味は爽やかな柑橘の風味。
料理やドリンクのトッピング食材として今後、更に人気がでることでしょう。
自宅で好きな色のフィンガーライムを収穫してお好きな料理にトッピングしてみませんか?
美しさと風味の豊かさに感動します。
以上、フィンガーライムでした。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
良いグリーンライフを🌱
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