![あつお](https://shokubutsu-fire-atsuo.com/wp-content/uploads/2022/01/img_2537.jpg)
キャッサバ知ってますか?
海外では主食ともなっているキャッサバです。
育て方(栽培)は冬越しを除けばとっても簡単です。
日本では馴染みが少ないキャッサバですが近年、注目されている野菜の一つです。
一時期のタピオカブームでタピオカの原料はキャッサバであると知っている人もいるはずです。
そんなキャッサバですがフライにするとジャガイモやサツマイモのような美味しさです。
デンプン質が豊富なキャッサバフライはホクホクモチモチの新しい感覚で美味!
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キャッサバには甘味種と苦味種と言われるものがあります。
手軽に調理して美味しく食べることができるのは甘味種です。
熱帯系植物であり耐寒性は弱いですが一般家庭でも十分栽培可能です。
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そんな珍しい野菜のキャッサバの栽培方法や下処理を紹介します。
キャッサバ(cassava)とは?
トウダイグサ科のイモノキ属の植物です。
マ二オク、マンジョカ、カサーバ、ユカとも呼ばれています。
生育温度は25℃〜35℃
乾燥にも強く痩せ地でも育つ強権な植物です。
耐寒性は5℃
冬越しの為の枝の保管であれば5℃以下でも耐えることができます。※マイナス気温は不可
キャッサバってどんな味?
独特のクセは一切無く食べやすい。
一般的な評価はジャガイモ、サツマイモ、クリ等の味と評価されます。
おかずやデザート様々な料理に使用することができます。
おすすめの食べ方!
1位 キャッサバフライ(素揚げ、竜田揚げ)
2位 茹でたてを塩バター
3位 キャッサバチーズ焼き
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デンプンが多く含まれており独特の口当たりが新鮮でとても美味しいです。
キャッサバには青酸配糖体(シアン化合物)が含まれており下処理が必要となります。
甘味種であれば過剰に心配する必要はありません。
甘味種は熱処理のみでジャガイモ感覚でいろいろな料理に使用することができます。
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栽培実績紹介!苗作り〜収穫までの流れ
私の栽培経験を元にキャッサバの育て方を紹介します。
苗木の作成や穗木の保管方法など数年間に渡り試行錯誤してきました。
栽培は簡単ですが、温暖な地域を除き最大の問題が冬越しです。
月ごとにポイントをまとめました。
ポットで苗作り(ビニールハウス 内)
3月
3月上旬になると暖かい日もあります。
ビニールハウス 内であれば気温も上がりますので挿し木が可能となります。
ハウス内の温度が日中は30℃夜中は10℃程度が目安です。
植え付けの1ヶ月~1ヶ月半前に挿し木をすると良いでしょう。
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15センチ以上で3芽以上ある穂木を使用
挿し木をする際は上下に気をつける。
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節からでる芽(赤丸)が上です。
赤玉土または鹿沼土に挿し木を行う。
1ヶ月程度で発根します。
苗木の完成
4月
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いつでも植えられる準備を進めます。
痩せ地でも育つキャッサバは特に肥料や土づくりはしなくても問題ありません。
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植え付け(5月上旬/最低気温10℃以上目安)
5月
畝の高さは30センチがおすすめです。
高めにする事で水捌けが良くなります。
また収穫の際に手掘りでも収穫作業がとても楽になります。
植え付け間隔と畝の間隔は1メートル空ける。
密になりすぎると生育が悪くなり細い芋など収穫量が下がります。
苗木を植え付ける際は根を折らないように丁寧に植え付けます。
できるなら根鉢は崩さない方が良いです。
ポットで苗での発根のし過ぎに注意です。
根がポット内で絡まった状態で植え付けてしまうと、収穫できるイモが歪な形になります。
根が多い場合は少しカットする等、整理して根を広げる様に植え付けて下さい。
ちなみにキャッサバは強い植物なので、温度が10℃以上あれば直接畑に穂木を挿しても高確率で活着します。
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乾燥には強いキャッサバですが植え付けから根付くまでの1ヶ月は土の様子をみて散水します。
植え付け直後は苗も弱いのでハダニやアブラムシの病害虫に注意。
コガネムシが畑に多いと幼苗は根の食害を受けて枯れてしまうこともあります。
活着後は草取り作業
6月
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梅雨に入り気温も上がり熱帯系植物のキャッサバは成長が著しくなりす。
苗が小さいうちは株周辺の草取りを小まめに行います。
しっかりと根付けば強権なキャッサバは放置栽培でも大きく育ちます。
7月
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成長スピードがすごいです。
1ヶ月で数倍の大きさになります。
8月
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樹高は150センチ程度まで成長します。
秋めいて来たら収穫
9月
夏も終わり収穫の時期となります。
気温が下がるとキャッサバの成長が鈍りイモも大きくなり難くなります。
9月末ごろから収穫が行えます。
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植え付けから約5ヶ月で収穫できました。
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気温が15℃以上あれば少しづつ成長するので冬まで残り少ない期間ですがイモが大きく成長することに期待します。
収穫後は穗木の採取
10月
イモを収穫した後の枝【穗木】を来年様に保管します。
写真の様に太めで長い状態で保管します。
根がついた状態で保管すると冬越し率が格段に上がります。
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大きな鉢に畑の土を入れ穂木を挿してビニールハウス内で保管します。
霜が降る前に収穫を済ませる
11月
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収穫真っ最中。
キャッサバは寒さに弱いです。
霜が降りるようになると芋が腐ります。
寒さが厳しくなる前に収穫を済ませます。
沢山作り過ぎると毎日キャッサバを食べる生活になります。
サツマイモのように芋の状態では保管出来ませんので沢山収穫できた場合は一度茹でて冷凍保存すると長持ちします。
収穫が遅れると凍害がでる
12月
霜が降りてから収穫すると写真のように芋が黒く腐ってきます。
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大きくしようと収穫が遅れると結果的に食べられなくなりますので注意してください。
キャッサバ冬越方法(耐寒性に御道路置き)
収穫後に採取した穂木をハウス内で保管。
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乾燥気味に管理することで耐寒性が増すので水やりは乾くまで控える。
ハウス内は最低温度0℃程度まで下がるが冬越の実績あります。(品種、個体差あり)
冬越し成功確率を上げたい場合は加温または室内での保管をしてください。
試行錯誤から見つけた他の冬越し方法
室内でプランターに挿し木
収穫後からすぐに20センチ程度に切り分けて長めのプランターに挿し木をする。
保管場所は明るめの10℃以上の温室または室内で冬場させる。
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発根、成長するので暗いと徒長や弱々しくなり枯れてしまうものも多い。
保管場所の温度、照度により成功率は大きく変わってきます。
穂木を籾殻に保管
こちらは段ボールに50センチ程度に切り分けたキャッサバの穂木を入れて籾殻を敷き詰めてテープでとめて室内(10℃以上)で保管
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結果は春までにはほとんどが乾燥してしまい2割程度の冬越し成功率でした。
穂木を畑の土に入れて保管
大きなビニール袋に同じく50センチ程度に切り分けた穂木を畑の土(サラサラだけど軽く水分を含む)を敷き詰めて箱に保管。
こちらは籾殻よりも成功率が高く6割程度の成功率でした。
キャッサバ栽培で一番の課題は冬越しです。
参考にして頂けたら幸いです。
ご自身の栽培環境にあった最善の方法を見つけてみてください。
キャッサバの品種は?
甘味種、、、青酸配糖体(シアン化合物)の毒性物質が少ない。茹でる等の簡単な毒抜きで食用として利用できます。
黄色系や白色系の芋が出回っている。
苦味種、、、青酸配糖体(シアン化合物)の毒性物質が多く含まれデンプン抽出等の加工用として利用されます。
園芸種、、、観葉植物として利用されます。
斑入りなど綺麗な品種もあります。
キャッサバどこで購入できる?
店舗販売は少ない様です。
一部農家もありますがまだまだ希少な野菜のようです。
苗の購入は主にメルカリやヤフオクでの購入になります。
購入にするにあたっては、甘味種、苦味種かしっかりと確認しましょう。
キャッサバの下処理方法を詳しく紹介
キャッサバの青酸配糖体(シアン化合物)は外皮と芋の真ん中にある芯に多く含まれています。
茹でる前に外皮を剥き
茹でた後に芯を取り除く
わかりやすく写真で説明します。
10センチ程度にぶつ切りにして写真のように立てて数ミリ縦に切り込みを入れる
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切れ込みから手で簡単に外皮が向けます。
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新鮮であるほど剥けやすいです。
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気持ちいいほど簡単綺麗に剥けます。
皮が簡単にちぎれたり、黒い線が入っていたら鮮度が落ちているサインです。
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剥いた芋は水に浸しておきます。
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鍋で茹でていきます。
中火で沸騰させます。
それから弱火にして30分程度茹でる
イモの真ん中から割れてきたら茹で上がった目安となります。
心配で茹ですぎると煮崩れして本来の美味しさが失われてしまいます。
下処理後の料理に合わせて茹で加減を調整すると良いでしょう。
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茹で上がった芋は割れています。
繊維に沿って半分または4分の1の大きさにする
赤丸の部分が芋の中心の芯です。
手で簡単に取り除くことができます。
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芯はとても硬く食べようとしても口に残るのでわかります。
甘味種は上記の方法で行えば毒を過剰に心配する必要はありません。
以上で下処理は終了です。
このあとはこのまま食べてもいいしお好きな料理にアレンジしてみてください。
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キャッサバの葉は食べらる?
葉っぱも茹でて食べられると情報がありましたので実際に食べました。
若い葉っぱだけを沸騰したお湯に入れて10〜20分茹でる
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白胡麻をふってポン酢で食べました。
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クセもなくほうれん草に近い味でとても美味しい!
苦味種など、品種によっては葉は食べることができません。
キャッサバの販売をできる?
営利栽培の可能性大です。
キャッサバは知る人ぞ知る珍野菜です。
とても美味しく栽培も容易なので今後普及することに期待できます。
日本在住の外国人からの需要も高いです。
実際に私の住む地域では数年前からキャッサバ作っている農家もあります。
日本では取り扱いが少なく自分から取り寄せをしなくては手に入らないと思います。
そんなキャッサバを栽培すれば芋販売はもちろん苗販売も多くの需要があるでしょう。
フリマサイト等相場は?
- 芋(1キロ)、、、1000円〜
- 穂木(10本)、、、1000円〜
- 苗木(挿木苗)、、、1000円〜
※時期や大きさで変動します。
特に穂木と苗木は植え付け期の間近になると高値で取引されています。
キャッサバは冬越しに手間が掛かるだけで栽培は容易です。
苗の作成も気温が高ければ挿し木の成功率は8割を超えます。
芋販売の可能性は?
フリマサイトを見ても農家から個人の家庭菜園の出品まで沢山の取引がされています。
高い需要があるようです。
数年間のフリマサイトの販売状況を見ていますが年々取引数も増えているようです。
キャッサバ芋は傷みが早いので収穫後は即日発送が望ましいです。
クレーム防止の為にも速やかな取引をしましょう。
取り扱う上で鮮度が落ちると芋が黒く傷みの発生することも意識しましょう。
苗の販売の可能性は?
植え付け時期に合わせて販売してすれば需要は沢山あるでしょう。
収穫後には沢山の穂木が取れます。
秋の収穫後に穂木を販売しても売れますのでとても収益性の高い植物です。
まだ流通量が少ないので単価が高くビジネスにとても向いているキャッサバです。
まとめ
タピオカブームのあとはキャッサバ芋のブームの予感を感じます。
とても美味しいので是非自分で育てて新鮮なキャッサバを食べて頂きたいです。
キャッサバフライは最高です。
自分の栽培環境での1年間の栽培サイクルがわかれば想像以上にキャッサバを簡単に栽培することができます。
冬越しが攻略が鍵となります。
試行錯誤が園芸の楽しみでもあると私は感じます。
キャッサバを育てて一味違った家庭菜園を楽しみませんか?
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以上、キャッサバ甘味種でした。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
良いグリーンライフを🌱
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